====== 入力 ====== 入力処理の基本原則は * **ゼロトラスト** - 全てを信頼しない(検証済みのモノ以外、データおよびコード、は信頼できない) * **ホワイトリスト** - 許可するモノを設定する(入力仕様に従い許可する入力のみ受け入れる) である。信頼境界で全ての入力に対してこの2原則を適用する。全ての信頼できない入力値に対して次のバリデーションを行う。 * **入力値の個数** - 必須/オプション入力以外の入力を含む場合は拒否 * **入力ソース** - クエリパラーメーター($_GET)のみを必要とする場合、$_POST、$_FILESなどに要素がある場合は拒否 * **データ型** - PHPの場合、$_GETなどの要素に文字列型と配列型のデータが初期化される。(?var[]=abc&var[]=def) * **文字エンコーディング** - Webアプリへの入力は基本的にテキスト形式($_GET,$_POST,$_COOKIE,$_ENV,HTTP,HTML,JavaScript,JSON,DB,LDAP,XML,SMTP,etc) * **長さ** - 最小および最大(文字列・バイトデータの場合) * **形式** - 電話番号、メールアドレスなどの形式が決まった文字列 * **文字** - 利用する文字種(英数字のみ、平仮名のみなど) * **範囲** - 最小および最大(数値型の場合) 外部入力とは「自分か完全に管理するコード」に「静的に記述されていない値全て」である。全ての外部入力は検証する。入力が信頼可能であることを検証&保証可能である場合は信頼する(信頼境界内に入れる)ことも可能である。しかし、仕組み上信頼不可能である場合も多く、不用意な信頼はリスク増加要因である。 ソフトウェアの信頼境界には限界がある。同一プロセス・スレッド上で動作する「自分か完全に管理するコード」以外のプログラムからの入力は、基本的に信頼することができない。 > 例: Webブラウザからの入力 - 自分が管理するJavaScriptプログラムで制御された入力がWebブラウザ上から送信される場合でも、これらの入力は信頼できない。 Webサーバーに対するWebブラウザからの入力は、自分が管理するWebページを経由しなくても送信可能である。従って、Webサーバーに対する入力が確実に受け入れ可能であることを保証できない。Webブラウザからの全ての入力は信頼できないので、全て検証(バリデーション)しなければならない。 > 例外: 信頼できる計測機器/データベースなどデバイス/アプリ(ハードウェア、OS、アプリが信頼できる)が信頼できるネットワーク(エンドツーエンドで暗号化されている、等)を利用して送信してきた安全な入力データ 送信元、通信経路およびデータの安全性が検証・保証されている場合、その入力は信頼することができる。例えば、信頼できるRDBMSから送信されてきた整数型のレコードIDは信頼できる。ただし、信頼できるシステムからの入力の場合であっても、データの安全性が保証できない場合は信頼できない。外部システムの入力を信頼する場合、リスクが増加することに留意する。例えば、SQLite3データベースのカラムはカラムのデータ型定義に関わらず文字列型データを保存できる。このような外部システムの場合、数値型カラムのデータであっても、データの保存と管理が十分な安全性を保証できない限り、信頼することはできない。 入力データには3種類が存在する。 * **正しいデータ** * **入力ミスのデータ** * **不正なデータ** 入力仕様に則り「不正なデータ」は確実に入力処理(MVCモデルのコントローラー)で拒否されなければならない。「入力ミスのデータ」はビジネスロジック(MVCのモデル)により適切に処理される。 ===== ルール ===== * [[.:inp:入力文字エンコーディングをバリデーションする]] * [[.:inp:バリデーションする前に全ての変換作業を行う]] * [[.:inp:文字列を正規化する]] * [[.:inp:デフォルトで初期化される外部入力をバリデーションする]] * [[.:inp:正規表現に用いられる入力データにメタ文字がないことを確認する]] * [[.:inp:入力バリデーションにブラックリスト方式を用いない]] * [[.:inp:不要な入力パラメーターを含む場合に拒否する]] * [[.:inp:入力を拒否した場合に適切な対応措置を取る]] * [[.:inp:入力が信頼できる物であることを検証する]] * [[.:inp:署名、暗号化したデータのみを信頼する]] * [[.:inp:複数のCSRFトークンを利用する]] ===== 参考文献 ===== * https://blog.ohgaki.net/owasp-secure-coding-practices-quick-reference-guide * https://blog.ohgaki.net/cert-top-10-secure-coding-standard ===== 注意事項 ===== 出力対策は入力対策とは”**独立**”した対策である。出力対策は入力対策の有無に関わらず、出力対策のみで安全性を保証しなければならない。 入力コードでは「入力のコンテクスト」(データの種別)に応じたバリデーションを行う。出力コードでは「入力のコンテクスト」を判別できない場合がある。また、出力コードでは「出力先のコンテクスト」(出力先の種別、例:SQLならパラメーター、識別子、SQL語句)に応じたセキュリティ処理が必要となる。このため、入力コードでのデータバリデーションと出力コードでのデータバリデーションは異るモノである。 入力バリデーションエラーとなる入力は「不正なデータ」であり、正しく処理することが不可能なデータである。**Fail Fast原則**(出来る限り早く失敗させる原則)に則り、「不正なデータ」の拒否はソフトウェアがデータを受け入れた直後に行う。